
突然だが、正直に書いてみようと思う。最近、売れたいと思うようになった。売れたいという表現が正しいかどうかはわからないが、敢えてわかりやすくそう言ってみる。作品や音楽を変えるつもりはないのだが、今のままで、売れてみたい。
媚を売らず、自分にも他人にも音楽にも正直なまま、作った音楽をもっとたくさんの人に聴いてほしい。結局なんだかんだ言って、本心はそれでしかなかった。
もっとたくさんの人に音楽を聴いてもらうことができたら、どれだけうれしいだろうか。自分自身も、周りの人たちのことも、どれだけ笑顔にすることができるだろうか。想像するだけで、胸がいっぱいになる。本当はずっとずっと望んでいたことだ。これ以上傷つくこと、自分にがっかりすることが怖くて、長いこと目を向けられず、蓋をしてきただけだ。
この3年くらい、無理をしない、頑張らない、をテーマにやってきた。再びうつになることが怖くて、がむしゃらにやることを避けてきた。だけど落ち着いた生き方が定着した今だからこそ、もう少しギアをあげられると思っている。そんな風に考えが変わっていくのも、自然なことなのかもしれない。

「光になってあなたに会いにいく」というアルバムのリリースツアーが始まった。ツアーと言っても、ひとりでギターと、CDや物販を詰めたキャリーケースでまわる地道なものだ。
この活動も10年間ずっと楽しく続けてきたものではあるのだが、なかなか色々な場所には行けなかったり、ひとりでは思うようにいかないことも多い。
シンガーソングライターおばあちゃんになっても活動していくためには、やはりもっと人に力を貸りていきたいと改めて思う。ひとりでやれることには、いつだって限界がある。
自分が今みたいに、何の所属もなくずっと活動をしてこられたのは、本当に周りの方たちが支えてくれ、力を貸してくれたおかげだ。なかなか会えなくなってしまった人、昔ライブに来てくれてた人にも、また会いに行きたい。そういう人生に、もう少し賭けてみたい。それが今の素直な気持ちだ。

この連載は、バンド時代から聴いてくれていた女の子の「ソロ活動10年を振り返って書いてみませんか」というお声がけから始まった。素敵な機会をもらえたことを、本当に感謝している。
こんなに自分のことを公に書いたのははじめてで、傷つけてしまう人がいたらどうしようとか、どこまで書いていいものかすごく悩んだ。書くのがしんどい回もあったが、改めて頭の中を整理する機会になった。
2011年のデビューから数えると、今年で音楽活動15年目になる。どこから数えるかは悩ましいが、なんだか今年も、おめでたい気がする。
先日このエッセイの、書籍化について打ち合わせをしてきた。そんなことができるなんて、思ってもみなかった。なんて素敵な人生なんだろう。またお知らせができたらいいなと思う。待っていてもらえたらうれしいです。
1年間読んでくださって、本当にありがとうございました。今日が少しでも、穏やかな日でありますように。









