バイトのぷりンス

マジックミラーカーの運転手【28】

浅草橋洸彦

スキマバイトの募集に面白い案件が舞い込んできた。「マジックミラーカーの運転手募集」という内容だ。行政書士事務所が募集をかけていて、主な業務内容は外回りのサポート。おそらく宣伝カーとして使うマジックミラーカーの運転なのだろう。
マジックミラーと聞くとどこかいかがわしい印象を持ってしまうが、実はまったく別の使われ方もあるらしい。以前デザインの会議に参加したとき、さまざまな消費者の率直な意見を聞くために、マジックミラー越しにインタビューを行うという話を聞いたことがある。体験者の声を直接聞き、その反応をどうデザインに落とし込むかを考えるのだという。


いずれにしても、ぼくの中で思い浮かぶのはエッチなビデオに登場するマジックミラー号のほうだ。実際にどんなものなのか一度実車を見てみたいと思っていたのだが、直前に企業側からキャンセルの申し入れが入った。気になった仕事だけに、やれないことがとても悔しかった。
キャンセルの理由は、「お任せする仕事がなくなってしまった」とのことだった。やりたかっただけに、とても残念だった。それにしてもなぜ宣伝カーにマジックミラーカーを選んだのか。結局分からないまま、いまだに謎な案件として記憶に残っている。

浅草橋洸彦

浅草橋洸彦

クリエイティブ労働者

有限会社アシダ企画代表取締役社長。天才百貨点主催。ぷりぷりから星葡萄を経て、現在は「下町のぷりンス」として君臨する。
1984年生まれ、育ち共にお江戸東京日本橋で産湯を浸かり、浅草橋で独立、家督を継ぐ。絵本作家、文筆業、出版事業他、喫茶評論、銭湯評論、鉄道評論、競輪評論、スナック・定食屋・食堂レポーター、レコードプロデューサー、他・他・他・他芸術家達の人間交差点としてマルチに活動し、前衛生活芸術没頭中。