
今回のインタビューは、コピーライター・写真家の日下慶太さん。彼が十数年にわたりおこなってきたUFOを呼ぶ活動、略して「U活」。NeWORLDでの連載を経て、ときに冒険的、ときに感動的にU活をつづった旅の記録が、この夏一冊の本になりました。あなたもきっと呼んで(読んで)みたくなる!? U活の魅力についてお話をうかがいました。
宇宙に愛を届ける。そうすればUFOは来てくれる。
――はじめに、U活の簡単な説明からおねがいします。
U活はシンプルにUFOを呼ぶ活動ってことです。
山頂や公園に出向いて一人でU活をすることもあれば、僕が参加しているUFOを呼ぶバンド「エンバーン」のライブでUFOを呼んだり、U活イベントを企画することもあります。UFOの呼び方もいろいろありますが、呼び方のディティールよりも、大切なのは気持ちです。
特に大切なのは、UFOがいると信じること、バカにしないこと、あと、怖がらないこと。存在を信じて、バカにしないというのは大前提ですね。UFOに連れ去られるんじゃないかとか、宇宙人に侵略されるんじゃないか、といった恐怖心も拭い去ってください。
その場にいる人がひとつになって、宇宙に愛を届ける。そうすればUFOは来てくれます。U活ではみんながそういう意識になれるような空気を作るために、言葉を唱えたり、輪になって踊ったり、そんなことをしています。
――UFOを見たいという思いは昔から持っていたのですか?
実は全然なくて。急に「見たいな」って思ったんですよね。宇宙の使命?というか、ミッションが突然僕に降って来たんです。それまでは本当にUFOに対して何も思っていなくて、当然見たこともなかったし。
――でもそれからU活を始めて、もう10年以上になるんですね。
そうなりますね。イベントとかでU活をすると、参加してくれたみんなの反応が面白くて。「うわ〜!光ってるやん!」とか、「反応するんや!」ってすごく盛り上がってくれるんですよ。僕自身もやっていて楽しいから、ここまで続いているっていうのはありますね。

――UFOを呼ぶことで「神に近づいている」と、『採U記』のなか書かれていましたがそれはいかがですか?
そういう存在に近づいているような感覚はあるんです。UFOは神様のところからやってきたものだと思っているので。
U活をする場所ってパワースポット的なところが多いんですが、その成り立ちなどを調べていくと、古代からのヒントがどんどん出てきたりするんです。そんなふうに過去を解き明かしていくのも面白くて。別に僕は考古学のプロでもなんでもないですが、その場所の真実みたいなものに近づいていくのはすごくワクワクしますね。古代と宇宙の間を自分一人でたどっていく、みたいな感覚ですね。
――確かに、U活をおこなうのは遺跡だったり、あと神社の近くも多いですよね。
UFOが出るってなると、やっぱりそういう所が多くなるんです。出現する理由がちゃんとある場所というか。でもそういう場所って全国各地にたくさんあるんですよ。それもU活をやっていて気づいたことなんですけど。
――日本でこんなにUFOが見れるんだと驚きでした。
実はめっちゃあるんですよね。
例えば福島の飯野町(UFOの里と呼ばれ、UFOふれあい館という施設が存在する)なんかはすごく有名なところだったり、あと北海道の八雲町とか。UFOの墓場って言われているんですけど、熊が人口よりも多いらしくて。実際に行ってみたんですが、熊が怖くてU活できませんでした(笑)。夜中に一人はちょっと無理かなあと思って……。
そういう有名な場所以外にもブログや記事で見たとか、メディアで紹介されてたとか、そういう所にも行きます。まあ、正直どこでも出るとは思うんですが、U活をここでやろうっていうきっかけが欲しいのかもしれないですね。
――日下さんがUFOを信じるのはどんな理由からですか?
理屈っぽい考え方ですが、まず宇宙って無限で、めちゃめちゃ広いですよね。だったら、地球みたいな条件の星って絶対どこかにあると思いませんか? 宇宙ってこんなに広いんだから、絶対何かいるよねっていう理屈は、大体の人がすんなり受け入れられる気がします。
『コンタクト』というSF映画に「広い宇宙に生きているのが人類だけだったら空間がもったいない。私たちは孤独じゃない」というセリフがあるのですが、その感覚って結構すごいなと思っていて。地球人だけが知的生命体だなんてもったいない。確かにそうですよね。
――現在は国内でのU活がメインですが、海外でのU活の予定はありますか
やりたいんですが、キリがなくて……(笑)。それこそエリア51とか、南米とかオーストラリアでもUFOの話を聞くんです。あとカナダにもそいうところがありますよね。イギリスのストーンヘンジにも出るって言うし、イースター島も。挙げていくと本当にキリがなくて。あとはコストの問題……時間と予算もなくて。まだ僕にはUFOだけを求めて海外に行く気合が出ていないかもしれません(笑)。行ったはいいけど「出んかった……!」となっても悲しいですしね。
U活も結構大変なんですよ。夜中にずっと外にいないといけないし。怖くないですか、アメリカの知らない土地に夜一人でいるの……襲われたどうしよう、みたいな。まあ日本でやり切って、これはいける!と思ったら、やっていきたい気持ちはあります。
UFOを呼ぶバンド「エンバーン」
――日下さんがリーダーを務めるバンド「エンバーン」はUFO召喚成功率85%とのことですが、個人とバンドでのU活にはやはり違いがあるのでしょうか。
これは結構そうで、U活を成功させるために必要なもののひとつが、呼ぶ側のエネルギーの強さだと思っているんです。やはりバンドで演奏とかをすると、観客も含めていろんな人のエネルギーやパワーが生まれるのでUFOが出やすいみたいです。普通の音楽フェスでも出るっていう話を聞くくらいですから。
そういうたくさんの人が集まって何かをする時のエネルギーって目には見えないけど、強力なんですよね。一人でU活して失敗すると「パワーが足らんかったんかな」って正直思います。
――バンドメンバーもそれぞれUFOに対する想いを持った方々なんですか?
いや、あるやつもいるけど、全く……興味ないって言うとおかしいですけど(笑)。あんまりUFOに興味ない子もいますね。全員が全員じゃないです。
――6月の味園ユニバースでのイベントでも実際にみんなでUFOを呼ぶということで、すごく楽しみです。その他のイベント内容はどのようになっているのでしょうか。
エンバーンのライブ、UFOを呼ぶ歌のセッション、UFO撮影会、UFOトーク、UFOを呼ぶ一発芸など目白押しです。ワンピースでいうところの、悪魔の実を食べた能力者たちをたくさん集めた、みたいな感じが個人的にはあります。あと味園が最後ですから。(2025年7月頭に閉業)個人的にも味園ユニバースには結構お世話になったので、最後に僕らしい、宇宙的なお別れをしようと思ってます。
※イベント詳細はインタビューの最後に!

U活から始まる世界平和への道
――U活の最終的な目標などはあるのでしょうか
なんでしょうね……。なんというか、最終的には地球が平穏で平和になればいいなって感じなんです。UFOのことを考えていると、自分はちっぽけだなとか色々思うわけです。謙虚になれるというか、おこがましくなくなるというか。宗教的かもしれませんが「生かされている」みたいな感覚もあります。自分は宇宙の一部であり、僕自身が宇宙でもあるような。
そういう感覚をみんなが持っていれば、戦争とかなくなったりするのかな、なんて思うわけです。実際はわからないけれど、多くを求めないようになるんじゃないかなと。
――なんとなく共感できる気がします。あまり詳しくはないのですが、ブラックホールについて考えた時、その存在があまりにも特異で、じゃあ自分って何なんだろう……?という気持ちになったことがあります。
イームズの『パワーズ・オブ・テン』って知ってますか? チャールズ・イームズとレイ・イームズという夫婦が作った映像作品なんですが、それがすごく真理っぽいんです。パワーは力ではなくて、数学でやる1乗、2乗の乗のことです。
宇宙は遥か彼方にあるけど、実は自分の中にも宇宙が存在する、みたいな。実は仏教でも似たようなことを言っているんですよね。物理的にも仏教的にもそうだしっていうので、結構真理をとらえた作品じゃないかと思います。
イームズ夫婦は「モダンデザインの父」みたいな感じで教科書に載るような有名な家具デザイナーさんでもあります。
――最後に、日下さんにとってU活とは……?
ライフワークではあるんですが……使命のような気もするんです。まあ純粋に楽しいからやっているんですけど。今はね。めちゃくちゃ面白い遊びって感じでしょうか。楽しさが続く限りは続けていきたいですね。いつ終わるのか、自分でもぜんぜん想像がつきません! まだまだ続きます!
――これからも楽しみにしています! 日下さん、ありがとうございました!
採U記NEWS
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ISBN:978-4-910315-57-7
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発売日:2025年6月30日
・『採U記』紹介ページ(ケンエレブックス公式サイト)
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★みんなでUFOを呼ぼう! 味園ユニバースにおわかれを告げるUFOイベント

味園ユニバースにUFOを呼ぶ「UFO祭」
日程:6月24日(UFOの日)
時間:17時open、18時〜22時
会場:味園ユニバース
『採U記』の連載ページはこちら!(画像タップで飛べます)

2025年5月
構成・編集:水口麗
[プロフィール]

コピーライター・写真家・コンタクティ・シーシャ屋スタッフ 1976 年大阪生まれ大阪在住。自分がどこに向かっているかわかりま せん。著作に自伝的エッセイ『迷子のコピーライター』( イーストプ レス )、写真集『隙ある風景』(私家版)。連載 Meet Regional『隙あ る風景』山陰中央新報『羅針盤』Tabistory『つれないつり』。佐治敬 三賞、グッドデザイン賞、TCC 最高新人賞、KYOTOGRAPHIE DELTA awardほか受賞。